浴衣の歴史や浴衣の各部名称、浴衣の基本用語集などを紹介している、浴衣結(ゆかたむすび)のコンテンツです。
浴衣を楽しんでいただくために予備知識を参考にしてください。
浴衣の歴史
江戸時代前期に、麻で作られた湯帷子が始まりで、公卿が入浴のときにまとい、また武士が湯上がりに体をぬぐうために着たひとえの着物です。
明治中期から、手ぬぐい地という、あらい『さらし木綿』と『真岡木綿』(栃木県真岡市で製織されたもの)が使われ、他に綿縮、綿絽などがあります。
模様は中型の型紙を使うことから浴衣を『中形』と呼ぶこともあります。
但し、後染めの木綿藍染のものに限られます。
白地に藍小紋(秋草模様が多い)藍縞、鳴海絞り、柳絞りなどが使われます。
なお、ちりめん浴衣の記録には残されていませんが、浮世絵にそれらしいものがあり、絞りや型染浴衣の流行に続いて流行った歌舞伎好みのちりめん浴衣は当時の人々にとって、さまざまな制圧のなかでの着るものへのわずかな贅沢であった
のではないかと思われます。

江戸時代になると、銭湯風呂が盛んになり、ゆかたは一気に庶民に広がります。麻布は庶民には贅沢品だっこと、天保の改革で庶
民に倹約が強いられたことが、木綿のゆかたが広まる契機になったとも言われています。
その後、真夏の着物として外出時にも着用されるようになり、現在に至っています。


浴衣の名称は、聞きなれない名前が多いですが、覚えておくと着付けをする際にとても便利です。



- おはしょり
浴衣の丈を腰のあたりでたくしあげ、腰紐で締めた部分のこと。 - 上前(うわまえ)
浴衣もキモノのように、前を重ねて着る衣服の重なりの外側のこと。(左の前身頃。着た時に上になります。) - 下前(したまえ)
浴衣をあわせたときに下になる側、右前身ごろのこと。 - 身八つ口(みやつくち)
身頃の脇のあいている部分。わきあけともいう。衿を直す時に手を入れてなおします。 - 裄(ゆき)
背中心から袖口までの長さ。肩幅+袖幅の寸法。浴衣購入の際のタグには裄寸法が記してある。 - 褄先(つまさき)
衿下の先の角の部分。 - 帯板(おびいた)
帯にしわがよらないように、帯の前部分に入れるもの。身体の幅より少し短い長さのものが良い。 - 腰紐(こしひも)
浴衣を着つける際に形を整えて着くずれしないように締める紐。 - こばぜ
足袋の留め金。こはぜの付いていない、簡単にはけるくつしたタイプの足袋もある。 - 肌襦袢(はだじゅばん)
肌の汚れや汗を吸う肌着。裾よけが付いたワンピースタイプもある。 - 半衿(はんえり)
襦袢の衿に付け、装飾としてもの。 - 裾よけ
腰に巻き付ける下着のこと。歩きやすいように、すべりの良いものを選ぶと良い。 - 三分ひも
帯締めの一種。帯留めを通してつけるため、幅や厚みが薄い。 - 手(て)
帯部分の名称。帯を結ぶ時最初に胴に巻きつける側のこと。 - 根付け(ねつけ)
帯にはさんで留める飾り物。最近ではストラップとしても人気! - 半幅帯(はんはばおび)
並幅の半分の幅(約15~17㎝)の帯。ゆかた用の帯として使われることが多いです。 - しつけ糸
縫い目や折り目を固定するために、仮に押さえ縫いをしておく糸のこと。
ゆかたを購入した際には、しつけされてますので、しつけ糸を忘れずにはずしましょう! - 畳紙(たとうし)
ゆかたや着物を収納するための和紙。耐水性がある和紙に折り目をつけて畳んだもの。 - 伊達衿(だてえり)
別称重ね衿。(かさねえり)衿の見える部分を重ねて着ているように見せるために本衿の下に止めた衿のこと。 - 伊達締め(だてじめ)
おはしょりを整えた上に巻き、着くずれを防ぐもの。